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同志社大学アメリカ研究所 部門研究


研究所では、常時、5〜9部門にわたり、研究所の特色を生かした活発な研究活動が行われています。これらの研究成果は、研究所が発行する定期刊行誌『同志社アメリカ研究』と『同志社アメリカ研究別冊』などで発表されるほか、単行本、シンポジウムやセミナーなどでも共有されています。
部門研究

同志社大学アメリカ研究所部門研究(2015〜2017年度)

部門研究1

研究テーマ「『ケアの倫理』からの、合衆国フェミニズムの再構築―関係性を中心とした人間像からのリベラルな個人主義批判」
代表者岡野 八代(グローバル・スタディーズ研究科)
概要本プロジェクトは、合衆国におけるフェミニズム理論の思想潮流をなすようになった、ケアの倫理が提示する新しい人間像を、合衆国を代表するリベラリズムが依拠する個人主義と対比しながら、新しい社会構想の理論を探求する、政治哲学・法哲学・社会学・経済学・歴史学を横断する研究である。
合衆国の発達心理学者キャロル・ギリガン『もうひとつの声』(1982)を嚆矢とするケアの倫理は、母子関係という対面的で非対称の具体的関係性のなかでの他者ニーズに対する応答のあり方に着目することから発展してきたために、公的領域ではなくむしろ、私的な領域にこそ相応しい倫理であると久しく理解されてきた。また、公的空間では傷つきやすい存在を、親密圏において配慮するのは歴史的には女性の役割であったため、ケアの倫理を称揚することは「女らしさ」を再強化し、女性を私的領域に留め置くことに帰結するとして、80年代にはフェミニズム研究内部で多くの批判に晒されてきた。さらに、政治哲学との関連では、ギリガンが正義の倫理と対照させつつケアの倫理を定義したため、正義論(=公的原理)「対」ケアの倫理(=私的な倫理)という二項対立の関係で論じられる傾向にあり、現在でもその傾向は続いている。その傾向に抗して、本プロジェクトでは、社会・人文学に根強い――「合衆国におけるリベラリズムを基調とする――「個人主義」の限界を、とりわけ政治哲学・法哲学・経済学の分野において明らかにし、新たな人間像、社会構想を探求することが目的とされる。

部門研究2

研究テーマ21世紀アメリカ社会における連邦最高裁判所の役割についての研究
代表者太田 裕之(法学部)
概要21世紀アメリカ社会において、連邦最高裁判所が果たす役割について、 20世紀までのアメリカ社会で連邦最高裁判所が果たしてきた役割を比較対象としつつ、明らかにすることが本研究の目的である。連邦最高裁判所の下す判決は、アメリカ社会を映し出す「鏡」であるといえ、判決を見ることでアメリカ社会の理解が可能になる。また判決を検討することで、アメリカ社会において連邦最高裁判所が果たしている役割がわかる。そこで本研究は、連邦最高裁判所が20世紀までに下してきた主要な判決を再検討し、20世紀までのアメリカ社会における連邦最高裁判所の役割を硴認した後、21世紀における最近の諸判決と比較・検討することでそこにどのような変化があるかを、裁判官を招いたシンポジウムを開催して検討する。

部門研究3

研究テーマ冷戦終焉期における日米安全保障関係―米国外交史と日本外交史の接続
代表者山口 航(アメリカ研究所)
概要外交史研究において最先端の分野である冷戦終焉期(1981-89年)の日米安全保障関係に関して、①米国の対日政策決定過程、②日本の対米政策決定過程、③日米の外交交渉過程ならびに相互作用を解明し、アメリカ外交史と日本外交史の接続をはかる。その際、軍事的安全保障と、非軍事的安全保障の双方の分野、およびその関係を対象とする。日米同盟と国際政治秩序との関係性を明らかにし、日米同盟の役割が看過されがちだった冷戦史研究に再検討を迫る。
研究に当たり、申請者が実施する資料調査・聞き取り調査の記録をウェブで基礎的な資料として公開することにより、今後の外交史研究や理論研究の飛躍的な進展が期待できる。

部門研究4

研究テーマ金融危機後のアメリカ経済に関する研究
代表者野間 敏克(政策学部)
概要インフラの建設が進むアジアを中心としたデータにもとづく現状分析、地域別のインフラの生産性比較、日米を中心としたインフラと航空会社との関係、インフラの整備・運用形態と資金調達、交通機関相互の選択問題に焦点をあて、それぞれを理論と実証の両面から分析することを目的としている。

部門研究5

研究テーマアメリカ研究におけるトランスナショナリズムと地域研究の未来
代表者Gregory Poole(国際教育インスティテュート)
概要グローバル化が進行し、「グローバル」を上位に位置づける学問分野の再編成が、世界的な研究界や高等教育機関で進み、ディシプリナリー・ユニットとしての「地域研究」はパラダイム・シフトを余儀なくされている。本研究では、日米のアメリカ研究者およびその他の地域研究者が、複眼的、多文化的、学際的な視点からトランスナショナルなアメリカ研究を理論と実践の両側面から検証し、その問題点と課題を明らかにすることを通じて、グローバル時代にふさわしい地域研究のあり方を探求する。本研究の成果は、国際化が急務とされている日本の大学で、他国からの留学生を対象としたトランスナショナルなカリキュラム構築や研究者間の国際連携推進など『国際化』を推進する具体的なプログラムつくりにも貢献するものと期待している。

部門研究6

研究テーマ現代アメリカ村会における農・食・地域の連関
代表者二村 太郎(グローバル地域文化学部)
概要本研究は、アメリカ合衆国において近年注目されている地域社会単位の食料安全保障(Community Food Security,以下CSFと略)が産地(近郊・農村)と消費(都市)の双方によってどのように構築されているかを明らかにする。CSFとは地域社会の誰もが安全で栄養的に適切な食品を入手すること(食料へのアクセスの確保)ができ、それが結果として地域社会の自立と社会正義の実現(不平等や不公正の排除)を最大限うみだす状況を指す。この概念は地理的に近接な地域において生産される農産物の供給と消費する住民が結びつき、接続的なフードシステムを形成することを目指している(Hamm. M. and A. Bellows.2003. “Community food security and nutrition educators.” Journal of Nutrition Education and Behavior 35(1):37-43)。アメリカのCSFに向けた実践を通じて、よりミクロで持続的な食料循環体系の可能性を明らかにするのが本研究の目標である。

部門研究7

研究テーマ「沖縄フェミニズム」と平和構築―軍事占領と性暴力
代表者秋林こずえ(グローバル・スタディーズ研究科)
概要「沖縄フェミニズム」は、本研究プロジェクトの研究者がそれぞれの研究分野(フェミニスト平和研究、女性史、沖縄研究)において展開を試みてきた概念である。それは米軍長期駐留地域である沖縄における女性平和運動が確立してきた“ジェンダー暴力、軍事主義、植民地主義”批判のフェミニズムであり、国際フェミニスト平和運動において一定の認知を得たものである。本研究は、沖縄の女性平和運動と他の米軍駐留地域の女性平和運動、または米軍占領下の沖縄での米兵による性暴力に関して実証実験を行いながら、平和への志向性が強い「沖縄フェミニズム」の理論的精緻化を図り、またそれによってボスト紛争の平和構築へのジェンダー視点の効果的導入を試みるものである。

部門研究8

研究テーマ米国におけるポップカルチャーと社会規範に関する研究
代表者関谷直人(神学部)
概要アメリカ文化を語るうえで欠かすことのできない「Pop Culture」と「会規範(norm)」の相互関係性を、法学、宗教学、文化人類学、社会学など多角的な観点から総合的に検討を加え、アメリカ社会の現在(いうまでもなく、同時に問題点も)明らかにするのが、本申請研究の目的である。

部門研究9

研究テーマ投票外参加の日米比較:確率標本を用いたインターネット調査による因果推論の精緻化
代表者飯田健(法学部)
概要本研究の目的は、デモなどの投票外政治参加の実態を先行研究よりも精緻な測定方法で把握し、さらに参加の因果メカニズムを解明することにある。近年、投票外参加は日本やアメリカを含め様々な地域で注日を集めているが、その実態や因果メカニズムの解明は十分に進んでいない。その背後には、①投票参加に関する理論が応用されてきたため、投票外惨加に固有の因果メカニズムが存在する可能性が検討されてこなかったこと、②投票外参加は社会的に望ましくないという規範の存在により、世論調査で正確な回答を得られず実態の把握が難しかったことがある。
本研究はこうした点を克服すべく有権者のリスク態度に着目した投票外参加の理論を新たに構築し、確立標本を用いたインターネット調査を実施することで日米を比較し理論の妥当性を検証する。
データ公開部門研究9では、2016年アメリカ大統領選挙の1週間後にアメリカの有権者を対象に実施したインターネット調査のローデータとコードブックを公開しています。どなたでも自由にダウンロードして頂けますので、詳しくは下記のウェブサイトをご覧ください。

http://tiida.doshisha.ac.jp/datadl.html